西日本新聞社・九州国立博物館 共催 開館記念事業「九州宝御膳物語」 九州国立博物館/西日本新聞社主催 九州国立博物館記念事業
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長崎宝御膳物語
【長崎フォーラムレポート】 3月16日(木) 午後1時半から長崎歴史文化博物館ホール(長崎市立山1丁目1番1号)にて九州 宝御膳物語の長崎フォーラムが行われました。下記は、西日本新聞に掲載されたフォーラムレポートです。
長崎フォーラムの詳報動画を見る
長崎の多彩な食、再認識 観光戦略に活用 長崎市長ら5人が討論【2006.3.17付 朝刊】

 十六日、長崎歴史文化博物館(長崎市立山)で開かれた九州各県リレーフォーラム「九州宝御膳物語・長崎」(九州国立博物館、西日本新聞社主催、アサヒビール特別協賛、西部ガス・ホテルニューオータニ博多協賛)。会場は約百二十人の聴衆で埋まった。三輪嘉六・九州国立博物館長の基調講演に続き、伊藤一長・長崎市長ら五人が登壇したパネルディスカッションがあり、長崎の豊かな食文化を観光戦略にどう活用するかなどのテーマで論議が盛り上がった。各パネリストの主な発言を紹介する。

パネリストの話に聞き入る参加者たち
伊藤 一長氏
伊藤 一長氏
長崎市長
子ども対象に料理教室望む
 まち歩き博覧会「長崎さるく博」が四月一日から長崎市で始まる。期間中、出島ワーフに新たに「地産地消」の店舗を出し、四十種類のご当地メニューを味わってもらう。そこで寄せられた意見を参考に、新たな長崎名物を開発したい。
  将来を考えると、子どもたちが長崎の食材で料理し、食べることが重要だ。自治会などと協力し、週末に公民館などの公共施設の料理室を使って、豊富な海・山の幸を使った料理教室を市民が中心になって開催できるようにしたい。
  それと、長崎市には名物といえる飲み物がない。長崎ブランドの野菜ジュースを作れば面白いのではないか。
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味酒 安則氏
味酒 安則氏
太宰府天満宮
文化研学芸員
独自の食文化もっとPRを
 九州の食を語るとき、豊かな自然と海外に向けた窓口であることが挙げられるが、長崎はその代表選手と言える。妻の出身地の五島にはイカ墨飯などがあり、ヨーロッパや中国の文化を貪欲(どんよく)に取り入れた食文化には驚かされる。
  また、長崎の食文化はお菓子が占める割合が高いのも特徴。カステラなど外国から入ってきたお菓子を日本流にアレンジしているところなどは「開拓者的」だと思う。
  現代の文化は全国どこも均一になっている。これからは地域の特色を残し、全面に出していくべき時代。長崎は全国に影響を与えた食文化を持っていることを、もっとアピールすべきだ。
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原田 博二氏
原田 博二氏
長崎歴史文化
研究所所長
食材生かした商品考えたい
 異国情緒にあふれる長崎の料理は本物だ。ポルトガルやオランダ、中国の影響を受けている。昔から交流があり、自然な形で食文化が定着した。
  江戸時代に通訳として活躍した「オランダ通詞」が長崎の食文化に与えた影響は大きい。オランダ商館は一六四一年に平戸から長崎の出島に移転したが、長崎の人との自由な交流は制限されていた。その中で、出島の文化を紹介したオランダ通詞は非常に功績がある。
  長崎はちゃんぽんや皿うどん、カステラ、卓袱(しっぽく)料理などが有名だが、新鮮で豊富な食材が多数ある。今後、それらの食材を生かした新商品の開発を強く考えていきたい。
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豊田 謙二氏
脇山 順子氏
料理研究家
皆で食卓囲む大切さ考えて
 長崎には外国との交流で「和華蘭(わからん)料理」という独特の食文化が入ってきた。日本人は従来、それぞれ自分の膳(ぜん)で食事をしたが、外国の影響を受けた長崎は卓袱(しっぽく)料理に代表されるように、みんなで一つの皿から料理をつつくようになった。家庭の食卓を連想させるちゃぶ台は「卓袱(ちゃぶ)」台と書き、長崎から全国に発信した文化だ。「孤食」が問題になっている今、みんなで食卓を囲む大切さをもう一度考えなければならないだろう。
  長崎の伝統料理を家庭で伝え、食文化継承、食育の学びの場となる「食文化会館」の設置をぜひ進めていただきたい。
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古川 康氏
豊田 謙二氏
福岡県立大大学院
教授
戦略づくりがこれから必要
 実施中の宝御膳アンケートで長崎から寄せられた回答をみると、家庭料理の延長の品が多い。食は地域の文化を象徴していることをあらためて実感した。
  長崎は町づくりの整備が進んだので、今後はイベントと食をどう結び付けるかが課題だ。長崎の食の面白さはアンサンブル(調和)。海外から受け入れた食材、料理をうまく組み合わせている。ちゃんぽんや皿うどんを食べる人は、湯気の向こうに長崎の街並みを感じる。食と街の結び付きはそれほど強い。長崎の豊かな食文化をもっと全国に発信するには、地元で評価される料理と長崎ならではの飲み物、戦略づくりが必要だ。
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県産食材料理に舌鼓

 十六日のフォーラム「九州宝御膳物語・長崎」の終了後、パネリスト五人をはじめ関係者の会議が長崎市尾上町のホテルニュー長崎であり、同ホテルで「長崎宝御膳」作りに取り組む川端明総料理長が県産の食材を使った料理を披露した。
  用意したメニューは「小長井産アサリと春野菜のパスタ」「カラスミ入りチャーハン」など和洋中三十品。パネリストや関係者は、意見を交わしながら舌鼓を打った。

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